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【レポート】3/14ピティナ課題曲セミナー

やっと暖かい日が多くなってきましたが、これからくる春というのは、やはり別れと出会いの季節。

卒業や入学はもちろんですけども、

ピティナのコンペティションを受けられている方にとっては

3月1日の課題曲発表を経て、コンペのはじまりを予感させる季節でもありますね。

 

というわけで(?)、14日は毎年恒例ですが課題曲セミナーを開催致しました。

今回は黒田亜樹先生をお迎えして、A2~D級までを中心に演奏つきでアドバイスしていただきました。

11時から14時までの予定でしたのでお昼をはさんでの時間帯でしたが、

少しの休憩時間しかないなかで、駆け足とはいえとても内容の濃いセミナーとなり、

指導者の方々にも、レッスンの合間を縫ってたくさんのご参加をいただきました。

黒田先生、そして参加された指導者・保護者のみなさま、本当にありがとうございました。

 

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黒田先生のレクチャーを聴いていると、

①それぞれの時代のスタイルを大切にすること

②①を大切にするがあまり生徒のみなさんへのアプローチを誤らないこと

この両軸が大切なのかな、と感じました。

 

例えばバロック時代の曲を弾くとき、

バロックは「ゆがんだ真珠」という意味ですが、それは4拍子の曲で四分音符を4つ弾くとしても、

ただレガートで弾くのではその言葉通りの音楽にはなりません。

バロック時代の演奏スタイルを表現するにはアーティキュレーションと拍節感などがとても大切になってきます。

 

ただ、黒田先生の指導を聴いていると「この曲は近現代の課題曲だけれど、ロマン派の要素がありますね」とか、

「ハイドンはもちろん古典派ですが、この曲はちょっとバロックの舞曲みたいな感じもある」など興味深いコメントが続きました。

ピアノ・コンペティションは「四期」を学べるコンペティションですが、

それぞれの時代を跨いで活躍していた作曲家もいたわけで、柔軟な頭が必要だなとあらためて実感しました。

 

しかしながら、コンペティションといっても

生徒さんにはのびのびと自分の表現を体現できるようにしなければならないですよね。

セミナーやアナリーゼなどでインプットした知識を生徒さんたちにアウトプットするとき、

自分が受け取ったものをそのままではなく、

どうやったら理解してもらえるのかを生徒さんに伝える前に考えなければならないんだなと思いました。

先生方は日常的にその作業をレッスンで実践されていらっしゃるわけで、自分の子供時代を思うと、本当に頭が下がる思いがします。


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