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【レポート】5/1山本美芽先生公開講座

5/1は山本美芽先生のセミナーが開催されました。

課題曲セミナーはございましたが、新年度1発目!の公開講座です。

午前中あいにくの雨でしたが、たくさんの先生方にお集まりいただきまして、

ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!

時代の流れとともに、お子さんや教本も変化

昔は「最初はバイエル一本」という感じでしたが、いまは何通りも教本があるという現状。

自分はぶっちゃけ「ゆとり世代」より前ですので(笑)、

エレクトーンからの転向とはいえ、バイエルからのスタートでした。

しかしながら、いまお店に立ってみてびっくり。

バイエルは誰もが一度は通る教本ではなくなっていたわけです・・・。


いろんな先生方にアンケートをとられてきた山本先生曰く、

・ご両親が共働きで、わが子がどう練習しているのかあまりわかっていないお母様がめずらしくないこと

・専業主婦の方もいるけれど、他にも塾や習い事を掛け持ちしている場合が多く、ピアノだけに集中している子どもが少ないこと


それ以外にもたくさん要因があるとは思いますが、

一週間に1,2回のレッスン、やはり鍵を握るのはご家庭でいかに習ったことをおさらいするかが上達の第一歩。

そうなったとき、バイエルでも追いつくのがやっとというお子さんが出てくる・・・・・・。

そんな社会の流れに、教本も対応して多くの教本が生まれているというのが「いま」なのです。

ですから、生徒さんによって教本を使い分ける、なんてこともできるわけです。


教本を選ぶ、ということ

本日は教本の中でも売れ筋5冊を演奏しました。当店でもおなじみの楽譜たち!


 

  



本日は石川県・富山県の先生方に演奏いただき徹底比較しました。


ここで鍵になる「ポジション移動」

「ポジション」とは、一般的な定義はありませんが、

簡単に言うと曲をはじめるとき1の指で弾く音です。

ドの音ではじまるなら、ポジションCです。


導入期のお子さんたちは、教本に沿って下記の①~⑤を学んでいきます。


①5指ポジション:1から5の指の幅が5度。5本の指で隣り合う5個の鍵盤を弾く

②ポジション移動:1の指の位置がさまざまな位置に移動(調性が変わる)

③指ちぢみ・指ひろげ:1から5の指の幅が、6度以上4度以下で弾く

④指かえ:同じ音を2回弾くときに違う指で引く

⑤指くぐり:親指がそれ以外の指の下をくぐる


そして、教本によってポジション移動が出てくる順番は大きく異なり、

例えば、「オルガン・ピアノ」では1巻ですが、「ピアノひけるよジュニア」では3巻、

「ピアノランド」では2巻、「ぴあのどりーむ」は3巻、「バスティン ピアノ・ベーシックス」は1巻です。


出てくる順番になぜ注目するかというと、

ポジション移動するまでずっと5指ポジションで弾いているわけで、

その期間が長いと、1の指はド、2の指はレと指番号で楽譜を読んでしまう生徒さんが出てきてしまうということです。



ですから、大変なことは先に慣れさせたほうが後が楽なので、

①スムーズに覚えられる生徒さんなら早めにポジション移動を覚えさせるのが吉。


でも、苦労は承知の上だけど、

たとえばミドルCポジション(左右の親指をまんなかCに置くポジション)がなかなか定着しない生徒さんなら、

②まずミドルCポジションを定着させることからはじめる。


生徒さんの様子を見て教本をどう選ぶか・・・教本の難易度をみて判断するというわけです。


レッスンの現場責任者は先生!

山本先生は「レッスンの現場責任者は先生ですよ!」とおっしゃいました。

すばらしい教本はいくつもありますが、

それを生徒さんに適応するかどうかはレッスンで先生がどう活用するか、にかかっています。


そして、「ピアノ教本を研究することは、教本を全部弾くところから始まる」という言葉もありました。

5冊、一通り聞いてみると、こんなに教本によって進むスピードや内容が違うんだと実感しました。

いまのお子さんは勉強に部活動に忙しいし、娯楽だってたくさんありますが、

少しであってもピアノを楽しむ方法があるのなら、

ピアノを触る時間が短くても上達をあきらめなくていいということですよね。


山本美芽先生の新作でおさらいを!

5月下旬に、山本先生の新刊が出ます。

こちらでこれからのピアノ教本選びにお役立て下さい!



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