寒さも一段と増しております。皆様いかがお過ごしでしょうか。
穏やかな気候のこの湘南の地も、2週連続の大雪に見舞われています。
さて、先週2月5日(水)ヤマハ藤沢南口センターにて第15回連弾研究会が行われました。
今回もヤマハミュージックリテイリング横浜店のご協力のもと、熱心な顔ぶれの16名のピアノ指導者が集まり、演奏&ディスカッションが繰り広げられました。
各々の先生方の得意分野を活かし、指導法、演奏法、ドイツ語、フランス語、はたまたエレクトーンによるオリジナルアレンジでのアンサンブルと多岐にわたり、研究内容も一段とグレードアップしております♪
★シュンゲラー編★ 【新しい子どものうたの本1】(ショット)より
春の喜びをうたう2曲を取り上げ、今月も野口先生にドイツ語の歌詞から受け取られる様子を解説していただきました。
『ちょうちょ』Alles neu macht der Mai
Alles neu macht der Mai, macht die Seele frisch und frei.
5月はすべてを新しくする、魂をはつらつと自由にしてくれる。
Laℬt das Haus, kommt hinaus , windet einen Strauℬ!
家から出て花束を作りなさい!
(*子どもへの呼びかけ、優しい命令調)
Rings erglänzet Sonnenschein duftend pranget Flur und Hain.
周囲は太陽の光に輝き、川や林はまばゆいばかりだ。
Vogelsang, Hörnerklang tönt den Wald entlang.
鳥の歌や角笛が森中に響き渡っている。
「ちょうちょ ちょうちょ なのはにとまれ~」でお馴染みのこの曲も、ドイツ民謡を意識すると趣が変わります。
緯度の高いドイツ(北海道稚内くらい)では、5月は「春」の代名詞。
長く寒い寒い冬を過ごし、春への憧れが一層増すのでしょう。
歌詞から、春を迎えた喜び、爽やかな気持ちが伝わってきます。
ドイツでは、最後の歌詞に出てくる「森」の存在は、大変身近で生活に密着しており、季節によりベリー類やきのこを摘みに行ったりと、気軽に誰もが訪れる場だそうです。
明るい陽の光が差す森の情景が目に浮かびます。
子どもたちがのどかに遊ぶ様子も、ちょうど楽譜の表紙から想像できますね。
日本で歌われている「ちょうちょ~」風に演奏する場合は、「ソーミーミーー」とレガートでたっぷり歌えますし、その部分にあたる「アッレス ノーイ、マハド デア マーイ」とドイツ語風に演奏する場合は、「ソーミッ ミーー」と軽やかにローリングアップして表現できます。
細かいことを言えば、ミッの抜き方や間、次のミーの着地を支えるコントロールなど、基本的な指先やひじの使い方もいかようにもレッスンできますね。幼児のレッスンにぜひともお役立てください♪
『春が来た』Der Frühling hat sich eingestellt
Der Frühling hat sich eingestellt!
春が来た!
Wohlan, wer will ihn sehn?
さあ、春に会いたい人は誰?
Der muℬ mit mir ins freie Feld, ins grüne Feld nun gehn.
春に会いたい人は私と一緒に外に行こう、緑の野原へさあ行こう。
2、3、4番と歌詞は続き、春の喜びを歌い、最後には「春が来たのに家から出ないのは誰?」と締めくくるそうです。
今年の冬は一段と寒いので、朝、おふとんから出られないのはだあれ?と生徒さんにアプローチしてみようかな。(笑)
★内田勝人★【もっとふたりのピアノ】(音友)より
おばあさんが静かに やさしい声で 昔のお話をしてくれます。
とあるように、静かな物語を聞いているかのような曲です。
a-mollの自然短音階下行形のモチーフが随所に使われており、レガートでポリフォニーを奏でる練習にも適しています。
この曲集は、セコンドパートは主に指導者や親御さんなど年長者が弾く傾向のものが多いのですが、この曲はプリモパートと同レベルの連弾にも向いています。
★三善 晃★【音の栞Ⅲ】(カワイ)より
『パリの空の下で』Sous le ciel de Paris
今月から新しく始めた連弾曲集です。
まずは、連弾奏者それぞれが片手ずつ分奏する形をとったこの曲を取り上げました。
そもそも普段から当たり前のように両手を使い、ソロで演奏しているわけですが、以前にも書いたように、ソロ演奏も言わば右手と左手のアンサンブルにより完成されます。
「連弾は、足して1になるというようなものではなく、4手の音が協同して多彩なピアニズムを展開するものでなくてはいけないと思っている。 三善 晃」
三善先生の序文を真摯に受け止め、連弾の基礎となる「1手奏」にも立ち返り、来月この曲をもう一度掘り下げます♪
そして金子先生が、シャンソンで歌われることの多い「パリの空の下」のフランス語の歌詞をご自分で訳してお持ちいただいたことや、小林先生が見事なエレクトーンとのコラボレーションをしてくださり、当時のパリの雰囲気を彷彿♪(訪仏した気分。笑)
彩子先生の周りに集まる先生方は、まさに「多彩」です♪ ありがとうございました!
★フォーレ★【組曲ドリー 】Dolly Op.56(各社)より
『ドリーの庭』Le jardin de Dolly
『スペインの踊り』Le Pas espagnol
湘南3月のステップに参加予定のドリーから2曲を、ディスカッション。
たくさんのアイディア満載で、活発に意見が飛び交い、演奏の意欲が増します。
ありがとうございました♪
次回連研でもステップ直前ですが、聴いていただければと思いますm(__)m
どうぞよろしくお願いいたします♪
時間が押してしまい...先にお帰りになられた4名の先生方もありがとうございました♪
次回は、3月5日(水)
・シュンゲラーより「回転木馬」「きらきら星」
・もっとふたりのピアノより「ラクダにのった郵便屋さん」
・音の栞Ⅲより「パリの空の下で」
・ドリーより「ドリーの庭」「スペインの踊り」
お問合せはこちらまで shonan-piacere@dream.ocn.ne.jp
湘南ピアチェーレステーション 山口英里子