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バロック講習会第2弾開催!

安倍美穂先生の声かけで始まったバロック講習会。
4月1日に第一弾が行われましたが大好評につき、めでたく(?)第二弾も4月15日に開催されました!

白井「音で遊ぼう」ステーションの希望者で、前回と同様にチェンバロ奏者の鴨川華子先生のお宅へ伺いました。
まずは、鴨川先生のお宅に期間限定でおかれているという、クラヴィコードから触らせていただきました。

第一弾の皆さんのレポートにもある通り、どうも音を出すのが難しい楽器らしい‥戦々恐々で鍵盤に向かいます。
一曲めは、平均律第一番プレリュード。

あ、鍵盤が浅い!
あれあれ、音が詰まったように切れる!
あれあれあれ?
でも、鴨川先生がお弾きになると、気持ちよーくそれはそれは美しく音が伸びるのです。

鍵盤の右側に位置する共鳴板をノックすると、部分部分でとても響くところとそうでもないところがあり、それも驚き。
音は、鍵盤の先の弦を叩いている部分ではなく、共鳴板と共鳴箱で響いていることをイメージするのが大事なんだそうです。

clavi1.JPG

インベンション1番、メヌエットト長調と続きます。

弦の振動を指の芯でとらえる。
指と手のひらの支えがぶれないように。
ひじの揺れは使わない。
指が鍵盤とつながっているように。
などなど丁寧なアドバイスを受け、ふと音がきれーいに響いた時の快感!

音量をタッチでコントロールできるクラヴィコードを、鴨川先生が弾かれると、素朴だけれど深い音から美しいppまで、音色の多彩さに耳をそばだて、一同うっとり。
本来バロックはカンタービレなのですよ、という先生の言葉がとてもよく分かります。

次にチェンバロへ。
クラヴィコードに比べ、圧倒的なボリューム感と響きに一同びっくり。
いつものピアノの音だけを聞いていたら、こんな印象は持たなかったかもしれません。
ところが、繊細な繊細なクラヴィコードを弾いた後だったので、私たちのお耳もバロック化されたのか、チェンバロはとってもゴージャスに感じられました。

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フランス組曲3番5番6番からアルマンド3曲とサラバンド1曲を交代で演奏しました。
アルマンドは、ドイツ起源の舞曲で、主に左手の8分音符の動きは、ヒール・トゥ・ヒール・トゥで前へ進むステップを感じながら、と具体的にどんな踊りかを教えて下さいました。
一方、サラバンドは、本来男性一人の踊りで足の動きが複雑な、少し官能的な香りもするものだったとか。バッハの時代では少し洗練されてきたとのことでしたが、そんなことをイメージするとサラバンドが違う味わいになる気がしました。

チェンバロは、弦をつまびくリュートのように感じて、縦の線をピッタリカッチリと合わせすぎないように。
音の強弱は調節できないため、長いトリルなどは、ゆっくりめから徐々に速くしていき、基本となるバスになじませていくように。

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また、同じ音型が繰り返され、上昇していくフレーズなどは、コンクリートの階段をトントンと登っていくのではなく、木を地面に直に置いて作った、山や森の中の手づくり階段をイメージして、決して均等ではなく、変化させていくように、でも人に分からない程度に。

そして、森の階段を登った先にはステキな庭園があるかのように‥という先生の言葉一つ一つで、ふっとバロックの世界観が広がります。

先生のお宅の猫ちゃんの「にゃあ〜」の鳴き声も聞こえたり、とても温かい雰囲気の中、講習会が終わりました。
ご本の中の知識だけだった楽器に、この指で触れ、体験出来た貴重な時間でした。
ぜひまた弾いてみたいです!(←参加者一同の声)

岡崎有美子 記

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