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バロック講習会開催いたしました

 4月1日(月)、新年度開始にふさわしい、素敵な体験をしました。

 それは「第1回 バロック講習会」!(第2回もあるのか・・?とどこからか質問が来るかもしれませんが・・笑)
安倍美穂先生の声掛けで、白井ステーション有志が参加しました。

 チェンバロ奏者の鴨川華子先生のお宅に伺い、クラヴィコードとチェンバロを実際に演奏させていただける、というなんとも贅沢な企画。公開レッスン方式で、ひとりひとり、先生から直接、奏法についてのアドヴァイスもいただけました。


クラビ1.jpg
お部屋に入ると、まずは、その外観をじっくり観察。先生が、詳しく仕組みを教えてくださいます。 チェンバロは、美しい装飾にため息がもれ、クラヴィコードは、そのシンプルな仕組みに、鍵盤楽器の「祖」であることを実感。
 そして、いよいよ演奏です。まず、最初にクラヴィコードから。課題曲はバッハの平均r律1巻1番のプレリュードとGdurのメヌエットです。

 

clavi3p.jpg

「レーソラシド・レーソ・ソ・・」とお馴染みのメロディーが流れます。
「ふうん・・クラヴィコードってこういう音がするのか・・」と思っていると、先生が「ちょっといいですか?」と代わって弾いてくださいました。
すると、何という音色でしょうか!豊かな、心の中に染み渡るような音が広がり始めました。目をつぶると、ヨーロッパの石畳の景色がパーッと浮かんでくるような。。。 

 クラヴィコードの「良い音」を出すポイントは、まさに「ミリ単位」というべきタッチの妙、ほんの少し、ポジションが変わったり、脱力の加減が変わるだけで、ベシャ、とした音になってしまうのです。一音一音が勝負、ここでいいのだろうか?とタンジェントという部分を確認しながら、ポイントを探して鍵盤を押していきます。

 バッハは息子たちや弟子の指導の際、クラヴィコードがきちんと弾けなければ、他の楽器を弾かせなかった、ということですが、しみじみ納得・・少しでも悪いタッチだと、クラヴィコードから「ダメ出し?」されているようで、緊張の一瞬でした。

cembalo1P.jpg

 次はチェンバロ。クラヴィコードに比べると数段、弾きやすくなったとはいえ、やはり先生の音色にはかないません。チェンバロ独特のタッチのひっかかりを、味わうように弾くことで、チェンバロならではの音色に変わるのです。
 課題はフランス組曲でしたが、アルペジオ、タイでつながっているときの弾き方、不協和音の解決、アーティキュレーションの違い、などピアノではわからなかったことをたくさん教えていただきました。

チェンバロ2p.jpg

 今回、このふたつの楽器を演奏することで、「バロックの音楽は、こういう楽器のために生まれた楽曲なのだ。」ということが実感できました。
 バッハを勉強するとき、ピアノだけでなく、チェンバロの演奏も聴くように、と言われます。しかし「聴く」だけでなく「弾く」ことが、いかに大切か・・その魅力は「いびつな真珠」ではなく、大粒で極上の真珠の輝きでした。


                                            <中前 浩子 記>


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