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連弾曲研究会vol.2

       連弾曲研究会vol.2が、12月5日藤沢のヤマハ南口センターで行われました。

 

             

 

今回は3部構成で、以下のことを企画しました。

 

 1.ラーニングトゥプレイ ふたりでたのしく2 より「ファンダンゴ」による リズムアンサンブル

 前回研究会の復習(応用)として、今年のコンペ課題曲にもなっていた「ファンダンゴ」を再度取り上げ、持ち寄った打楽器(カスタネット、鈴、タンバリン、ウッドブロック2種など)でリズムアンサンブルを試みました。 (前回の模様は、湘南フェリシテSTのコラムをご覧ください。)

そして、曲風が少し似ていると感じた久石譲「人生のメリーゴーランド」(映画"ハウルの動く城"より)に置き換え、連弾と共に同じリズムの活用に挑戦。

平板になりがちな「リズムたたき」を、生徒さんたちに、いかに躍動感のあるリズムアンサンブルを体験させるかなど、またソルフェージュからいかに曲に繋げるか、リズムカードの活用の仕方、ソルフェージュ教材のお話に至るまで、普段のレッスンでの苦労や、こぼれ話、発表会で実践しているアンサンブル企画などなど、話題満載でした。

 

 また、前回の研究会後に早速レッスンで、このラーニングトゥプレイを教材として取り入れた実践報告もありました。

生徒さんに出した課題は『ピアノ未経験のお母様に連弾の指導(!)をして二人で仕上げてくること!』

一同「おお~!」と興味津々。何とその先生は、その生徒さんにレッスンマニュアルを作成して、指導するポイントを資料(!)として渡しているとのこと。

見せていただくと、楽譜のコピーに演奏する上での様々なポイントが丁寧に解説して書き込まれていました。

生徒さんにしてみれば、いつも育児(?)される側から逆転し、ちょっぴり上から目線でお母様にアドバイスできるのですから、楽しいはずです(笑)。まさに共育(教育)!ナイスなアイディアです!

 

2.タイトルから得るイマジネーション

 今年9月のステップ(湘南藤沢ST主催)にアドバイザーでお越しいただいた深谷直仁先生の講評の中で、「タイトルのついた曲を演奏する時に、この曲を知らない人に聴いてもらい、どんなタイトルか当ててもらいましょう。そのタイトルのイメージがピッタリならば、その人の演奏は成功といえます。」というようなお話がありました。

それをふまえての試みです。曲集は内田勝人「もっとふたりのピアノ・ゆたかなひびきのアンサンブル」を使用しました。(これもコンペ課題曲に使われています。)

 

 まずその場で演奏担当のお二人が、曲を選びます。もちろんそれ以外の方は楽譜を開きません。

奏者は、タイトルからイメージを膨らませ(皆様ほぼ初見)曲の魅力をアピールするべくがんばります。聴き手は、曲目一覧表を眺めながら「これかな?あ、でもこっちかな?」と頭をひねります。

演奏が終わると一様に「う~ん」「何々に一票!」と答えていき、奏者が正解を発表。タイトル下にある短い文章も朗読し、それにより「あ~なるほど~」とか「ゴリラは森の王様です は、メロディが高音だから、ちびゴリラが精一杯背伸びして威張ってる感じに弾くのかな」とか「海賊船といっても、ひょっこりひょうたん島のイメージ!」など子どもの曲集であることを再認識。深読み&想像力を駆使しました。

 

3.6手連弾 ~ちょっぴり大人なラフマニノフで

 子供向け教材が続いたので、今度は、ロマンチックで憂愁漂うラフマニノフの6手連弾、「ワルツ」と「ロマンス」を取り上げました。

ワルツは従姉妹タータ・スカローンの作ったテーマをもとに作曲し、ロマンスは、その翌年にタータの誕生日に作られた若き日の作品です。

「ワルツ」では途中、セコンド奏者がテルツォ奏者をとび越し、ピアノの最低音のA音をバスとして弾くという妙技もあり、3人の音が絡み合い躍動感のあるワルツです。

そして、「ロマンス」(A-dur)の冒頭部分は、10年後に、あのピアノコンチェルト第2番 第2楽章Op.18(E-dur)の冒頭部分を、またコーダ部分は、これも同年に作曲された2台ピアノ 組曲 第2番Op.17の中の「ロマンス」のコーダに置き換えられたものであることに注目し、映画「ラフマニノフ」のパンフレットを眺めながら、CD鑑賞も行いました。(抜粋)

(ピアノ協奏曲第2番:アルトゥール・ルビンシュタイン、フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団

2台ピアノ組曲2番:マルタ・アルゲリッチ、アレクサンドル・ラビノヴィチ・・・いづれも名演です♪)

 

 6手連弾が作曲されたのがモスクワ音楽院在学中の17,18歳の頃。その後10年を経て、28歳の時、2番のコンチェルトで大成功をおさめるわけですが、敬愛するチャイコフスキーの死去や青年時代のラフマニノフの苦悩に思いを馳せました。

 

 

以上! 盛りだくさんの企画でしたが、ちょうど2時間でおさまり、無事お開き~となりました。

風邪が流行っており、12名のみのご参加となりましたが、参加者全員の演奏で終始盛り上がり、皆様の経験から様々なアイディアや実践報告が飛び交い、充実した2時間となりました。

体調を崩された先生方、どうぞお大事になさってください♪

 

 さて♪ 次回は、楽しくて可愛らしいギロック、中村佐和子作曲の6手連弾を取り上げる予定です。

今回のラフマニノフ6手も、皆様にも演奏していただけたらと思っております♪

皆様お誘いあわせの上、ふるってご参加ください♪ 活動にご興味のある方は、どうぞお問い合わせください。よろしくお願いいたします。   お問い合わせ先 →  shonan-piacere@dream.ocn.ne.jp

 

 追記:ハウルとラフマニノフは、2週間前の提案にも関わらず、演奏依頼した先生方には快諾をいただき本当に感謝しております♪ さすがに事前に合わせが必要ということになり、日々お忙しい中スケジュール調整してくださり、2日前と当日にお願いしました。

この場をお借りしてお礼申し上げます。ご協力いただきありがとうございました♪

                                         湘南ピアチェーレST 山口


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