2021年下半期ピアノ指導法シリーズセミナーの第1回が、2021年10月12日日響楽器池下店ホールにて、開催されました。テーマは"レッスンに役立つショパンマズルカの指導法" 講師は清水皇樹先生。
地元で大活躍の清水先生。大勢のピアニストを世に送り出していらっしゃる先生とあって、コロナ禍でも会場は席が埋まり、オンラインでの参加者も多数ありました。
マズルカはショパンの故郷ポーランドの民族舞踊。ショパンはその舞踏のリズムをピアノ曲に取り入れ、踊る要素は残しつつも実際に踊るのではなく、ピアノ曲としていかに美しく表現するかという観点で、生涯にわたってマズルカを書きました。(絶筆もマズルカOp.68-4)
マズルカのリズム(主に3種類)
1.マズール 3/4 ♩ ♩ ♩
2.クヤヴィアク ♩
3.オベレク ♫ ♫ ♫
そのショパンが最も大切にしたであろう点について、いくつかのマズルカを弾きながら講座が進められました。
ショパンを演奏する上で最も大事なことはcantabileそして20歳でフランスに行き、39歳で亡くなるまで1度も帰ることが叶わなかったノスタルジー。
講座の中で特に強調されたcon animaとanimatoの違い。con animaをanimatoで弾いてはならない。conは~を持って。animaは魂。つまり魂を持って演奏しなければならない。・・・ということをピアノでそれは見事に弾いてくださった。"4小節でへとへとになるんだよ"
ジョルジュ・サンドとの破局も彼に色濃く影響を与えました。半音進行や曲の終わり方の素晴らしさ。たった1音で曲調を変えてしまう。また転調の素晴らしさ。・・・といったショパンの天才のひらめきを清水先生はピアノで示してくださいました。先生のピアノそのものがcon anima(魂を込めて)でした。ショパンの素晴らしさはこういうところにあるのだと気づかせていただきました。
折しもショパンコンクール真っ最中の今日。遠いワルシャワでの演奏がリアルタイムで聴けます!"マズルカはショパンの真髄。マズルカ賞を取るのは1位になるより価値があるとされているんだよ"と清水先生は話されていました。コンクールにマズルカにますます興味が湧いてきました。清水皇樹先生、ブラヴォーでした。