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田中正也先生 「ロシアピアノ作品の魅力」講座

2015年7月8日(水)10:00~12:30

田中正也先生による 

「ロシアピアノ作品の魅力」~聴けば納得!定番曲から隠れた名曲までを大解剖~講座

を開催いたしました。

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このシリーズでは・・・ バイエル終了~チェルニー30番、40番程度で弾けるロシアのピアノ作品を中心に取り上げ わかりやすく解説いただいております。

日本では"ロシア作品"として一括りで捉えられている傾向にありますが、それぞれの作曲家によって響きが異なります。

15歳からモスクワへ・・・そしてモスクワ音楽院を金賞で卒業された田中正也先生にならではのお話です。

 

 

★ マイカパル(1868年~1938年) 「ピアノ小品集」より

1)Op21-7マリオネットの行進  2)Op30「小さな組曲」の第2番  3)Op8-3小さなお話

「よく響く透明なピアニッシモ」「なめらかなレガート」「繊細なペダリング」 この3つは、ピアノを学ぶ者にとって永遠の課題でありましょう。それを子供の頃から徹底して教えているのがロシアのピアノ教育の特徴といえます。

マイカパル:ピアノ小品集は、そういうピアニズムを養うためにロシアで使われている初心者から中級者用の教材です。

                        ・・・・・全音)マイカパル ピアノ小品集 はじめに より

♪ p,pp でのスタッカート、音色の違うアクセントに注意しましょう。

  小さな頃から弱音の響きについて考えられるようにすると良いでしょう。

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★ リャードフ(1855年~1914年) 「ピアノ作品集」より

1)エチュードOp40-1  2)音の玉手箱(オルゴール)

 リャードフが生きたアレクサンドル三世に治世は、やがて起こるロシア革命(1917年)へ向かって、帝政末期の激動の嵐が吹き荒れていた時でもあり、またリャードフが亡くなった1914年には、第1次世界大戦が勃発している。・・・リャードフの作品には、表面的な激しさや、過度の感情のほとばしりは見られず、そこには控えめな語りくちのなかに、誠実で落ち着いた明るく清楚な美しさ、簡潔な手法のなかに透明で繊細なニュアンスの、音の織物を発見することができる。

                   ・・・・全音)リャードフ ピアノ作品集 「この曲集について」より

 

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★ プロコフィエフ(1891年~1953年) 「ロミオトジュリエット」より10の小品 Op75より

1) No6 モンターギュー家とキャピレット家

バレエ「ロミオトジュリエット」は、1936年管弦楽版が完成され バレエ世界初演は 1938年です。

1937年、10曲をピアノ独奏用に編曲されました。

No6は ソフトバンクのCMでも流れた曲で ご存知の方も多いと思います。

オーケストラの作品ですからフレーズをオーケストラの楽器をイメージして演奏してみましょう。

プロコフィエフ独特のクールな抒情性について考えてみると良いでしょう。

1917年ロシア革命後の1918年ソ連を出て日本経由でアメリカへ行き、1922年頃までアメリカに住んでいましたが、1922年からヨーロッパに本拠を移し、1936年家族と共に完全に祖国ソビエトに移りました。

バレエ「ロミオとジュリエット」はこの頃の作品です。

 ★ クールな抒情性・・・

19世紀、20世紀のはざまに 大きな社会変革のあった"ロシア" 

そのような社会的背景も影響しているのでしょうか・・

楽譜からそういったことを読み取ることは難しく、また ロシアの作曲家に関する文献も少ないですから田中先生による演奏を交えてのお話には、大変説得力があります。

田中先生 素晴らしい演奏、わかりやすい解説 ありがとうございました。

多くの方々にご来場いただきまして ありがとうございました。

次回のご案内

2016年1月20日(水)10:00~

 


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