9月16日、カワイ広島コンサートサロン "パーチェ" にて開催されました久元祐子先生の「名器から生まれた名曲2『ショパンとプレイエル・ピアノ』」に参加された竹中結紀先生からレポートをいただきましたのでご紹介いたします。
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ショパンが生きていた時代のプレイエルピアノは、鍵盤をもとの位置まで戻さなくては次の連打ができないシングルエスケープであること、第二響板が取り付けられることが特徴的でした。第二響板を取り付けるとマスクをしている様な状態で、板の下で色んな響きがうごめき、柔らかい音が出ます。ショパンは、その柔らかな音色や、スパッと切れず余韻のある残響に魅せられていたようです。ショパンはプレイエルピアノを弾きながら作曲をしていたので、現代のピアノでその響きをつくるのはタッチもペダルも工夫が必要で難しいことですが、とても大切なことだと思いました。
現代に生きている私たちは、当たり前のように電気をつけて生活をしていますが、ショパンが生きていた時代は、馬車で移動し、月明かりとランプやろうそくの明かりをたよりに演奏していたのです、という先生のお話で、つい楽譜にしがみつきになってしまっていることを反省しました。視覚よりも聴覚を研ぎ澄まして演奏することがいかに大切かということを感じた講座でした。最後は、先生の素敵な子犬のワルツの演奏を聴かせていただきました。2時間があっという間でした。
(レポート 竹中結紀先生)