ごあいさつ
ピティナ・ピアノステップ秋田地区へのご参加ありがとうございます。
ピアノの300年以上に及ぶ歴史に、左手のみで新たなページを刻み続ける
ピアニストの一人である舘野泉さん。65才で脳出血で倒れ右半身不随となっ
てから、2年かけて左手だけの奏法を習得し「左手のピアニスト」として活躍
されています。左手だけで弾くという制約の中、左手の親指と人差し指でメロ
ディ、残りの指で和音を弾き分けるなど常識を覆す奏法で、独特の"うねり"
を生み出し、音楽の世界に身をゆだね、その深い本質を紡ぎ出しています。
舘野さんを並外れた技法の習得に駆り立てたものは、「いくら聴いてもいく
ら譜面を見ても満足することができず、たまらないほどに自分で弾きたいとい
う気持ち」と「それをまた見てもらいたいという気持ち」だったそうです。
音楽は、聴くことで極上の楽しみを感じることができますが、自分で演奏す
ることでより音楽の素晴らしさを感じることができるのです。
ピアノを弾くこと、その音を聴いてもらうこと、そして、その姿を披露する
ことができる今日のステージは、音楽を心から愉しめる絶好の機会であり、豊
かな人生の一ページとなるでしょう。また来年も再来年も、これから先ずっと
生涯にわたり、全国年間602カ所で開催されているピティナ・ピアノステッ
プのステージを通じて、ピアノ演奏に親しんでいただけることを願っております。
ピティナ秋田支部長 若松マキ
(当日のプログラムより)