2020年は春の訪れが少し早く進んでいます。土屋美寧子先生第2回レクチャーコンサートは会場のカワイ横浜「プラージュ」を満席にして開催することができました!
昨年第1回で好評を頂いての第2弾は「デュオの楽しみ」 〜音に込める気持ち〜 レクチャーと演奏に会場が一つになり聴き入りました。まずは音で昨年取り上げられたモーツアルトと今年のベートーヴェンの冒頭、同じト長調だが全く違う作風を聴き比べました。第1回の「作品が生まれる基になる、作曲者の生きた時代、国、生活環境について。調性があらわす色彩感。曲にストーリーを作ること。」(レジュメより)を確認、第2回は「楽譜から楽器の上に移された音に、息を吹き込み、豊かな交流を聞き手との間に作る過程」(レジュメより)をレクチャーと演奏で伺いました。
レクチャー1曲目は今年生誕250年を迎えたベートーヴェンのピアノとヴァイオリンのためのソナタ第8番ト長調Op.30-3、階級社会から豊かな市民階級が台頭する時代を生き、また自身の耳が聞こえなくなる不安の中で作曲された作品30の3つの曲は個性的な曲が並ぶ。この第8番は、ピアノとヴァイオリンの合いの手、やり取りが楽しく、華やかさ、豊かさ、嬉しさ、そしてサプライズの連続が魅力である。また、元気が良いだけでないベートーヴェンの優しさも表現されている!等々のレクチャーを伺い聴く演奏はわくわく心弾み、表情の変化に 一喜一憂しながら聴きました。また、和波先生からベートーヴェンの生涯と作品を照らし合せて楽しむこともお薦め頂きました!
2曲目は入野義朗 ヴァイオリンとピアノのための音楽、故入野義朗先生の奥様でご自身も作曲家でいらっしゃる入野禮子先生が御来場賜り、義朗先生のこと、12音階のことなどの貴重なお話しを伺うことが出来ました。そして、和波先生から「12音が無秩序で無い、ランダムでなく一つのまとまりがある」とのお話しを伺い聴く音楽は、リハーサルで聴かせて頂いたときとはまた違う色彩と音色が広がりました。
最後のフランク ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調では、「循環主題」が各楽章にどのように出てくるのかを示して、それがこの曲の統一感につながっているとお話しいただきました。ヴァイオリンのパートはいつも単旋律であるのに対して、ピアノは複数の声部を駆使してオーケストラのような豊かで厚みのある響きを作っていることも特徴としてあげられ、ハーモニーの変化に気持ちを合わせて演奏できるように耳の感覚を磨くことが大切とお話しされていました。お二人の演奏に揺さぶられる気持ち、心を掴まれるメロディ、あふれる気持ち等々、大きな音楽の揺れの中に身を置き楽しむことができました。
レクチャーと演奏から、お一人お一人に様々なメッセージが届いたことでしょう!
また幸せな想いを頂けたことでしょう!
アンコールは、そんな熱い気持ちの私達へ、とびきりのご褒美としてチャーミングな曲のプレゼントがありました。曲はグリーグ ソナタ第3番 第2楽章。
応援ありがとうございました!
グループみーのの皆様、和波先生のヴァイオリンのお仲間の皆様。
ご協力に感謝!室内楽勉強会の皆様。
Yokohamaみらいステーション 高嶋 麻企