◆9月11日(木) 10:15~12:15
会場 和幸楽器
音の葉研究会では今年度より「研究会員による、ピアラーニング」を始めることになり、今回はその第2回目の発表でした。
●中澤太郎先生 「ハンガリー音楽」~ハンガリーの歴史とハンガリー語から~
●大原由紀先生 「モンテッソーリ教育と、ピアノ教育の関連性について~五感を使い、
自律した子どものを育てるレッスンを~」
●中田幸子先生 「導入期の親子指導 親=保護者 子=生徒」
●一色弘枝先生
小高菜穂先生 「指導者検定全級合格して これから指導者検定を受ける方へのアドバイス」
以上4組の先生方による、内容もテーマもさまざまで大変収穫のある充実した内容でした。
トップバッターは中澤先生。
ハンガリーに留学経験をお持ちの中澤先生からは、その土地に住んでみないと分からない大変貴重なお話を伺うことが出来ました。
また、ハンガリー語のアクセントや言葉のイントネーションは音楽と密接な関係にあり、
ハンガリーの音楽を演奏する際にそれを知っているのと知らないのとでは大きな違いが
あるとおっしゃっていました。レッスンでバルトークの曲を教えるときに生かして行きたいと思います。
ハンガリー語のレッスンもしていただきました。
ちなみに、ハンガリー語のことを「マジャル語」というそうです。
「こんにちは」をハンガリー語で言うと・・・・
「こんにちは」だけでもハードルが高い・・・
会員の先生方も必死に練習しています。
また、バルトークの楽譜を見ながらどこにアクセントが付くのか、なぜそこにアクセントが付くのかという内容も教えて頂きました。まさに、目から鱗の発見の連続です。このニュアンスの違いを伝えられるよう今日から私はマジャル語を勉強します・・・・・そのくらい言葉というのは、大事だなと実感致しました。
中澤先生大変貴重なお話をどうもありがとうございました。
続きまして、大原先生の発表です。
大原先生自身の娘さんの育児を通して勉強を始められたという「モンテッソーリ教育」についてのお話でした。とても温かく、愛情深い内容に感動すると共に、ピアノのレッスンというのはまさに子育てとの共通点が多く、教育の根源について考えさせられました。
例えば・・・
「子どもは動きながら学ぶ」
じっとしていない子どもが一番興味を持つ内容を的確に選んで取り組みます。
その具体的内容を教えて頂きました。
中でも手作りの音符カードはとても興味深く、かるた形式となっていて楽しく音符が読める工夫がなされていました。
「良い手の準備」
幼児期に楽しく取り組める内容の具体例や、手作りのグッツにはまさにすごい!の連続でした。
子育てを通して自分自身の勉強にもなったと語る大原先生。レッスンでは、個々のレッスン内容を考えるのが楽しいと、生徒さん想いの温かいお人柄が伝わる素晴らしい発表でした。
ありがとうございました。
続きまして、中田先生の発表です。
中田先生は9年連続指導者賞を受賞されており、そのレッスンの内容、言葉がけ等詳しく教えて頂きました。
飛行機の絵をお書きになり、
機体部分は「生徒」左右の羽の部分はそれぞれ「先生」と「お母様」であり、バランスよくお子様に関わることの大切さをおっしゃっていました。また、具体的な言葉掛けも大変参考になりました。
お教室のお母様方との連携が素晴らしく、中田先生が提案するとお母様方が手作りでグッツを作ってくれるそうです。
例えば、鍵盤に乗せてポジションを確認し、打鍵の位置を把握するグッツ
指の位置をマスターするのにもよい方法ですね。
その他には、クッション性を生かした打鍵練習グッツ。
こうしたグッツが生まれるのも、先生のお人柄が素晴らしく信頼を得ているからなんだと感じます。教室ならではの楽しいイベントを通して生徒さん、お母様同士の交流も大切にされているとのことです。ステップやコンクールへの参加を通して教室が活性化し、生徒、保護者、自分自身の意識も高まり、目標に向かって取り組むことが出来るようになるとお話されました。
保護者の方への感謝を忘れずに、音楽を教えることが大好きだとおっしゃっていた中田先生の笑顔がとても印象的でした。
貴重なお話をどうもありがとうございました。
そして、最後に指導者としてのスキルアップを目指し、指導者検定を受け全級合格を果たした一色先生と小高先生よるお話です。
一色先生から、指導者検定の内容についての説明を受け、
指導実技、演奏実技、レポート、筆記と聞いているだけで、私は気が遠くなりそうでしたが・・・
一色先生は、「学び続けなければ指導は出来ない」とおっしゃり意識の高さを感じました。
検定を受けたくさんの刺激を貰い、やり遂げた達成感、充実感は自信にもつながり、今後の指導に生かすことが出来ると思います。
小高先生からは、実際に指導者検定を受けた際のお話をして下さいました。
演奏実技では、諦めずに練習を続けていくことの大切さや、美しい音で音楽的に演奏することなどをポイントにお話しして頂きました。
実際に受けて、大変だった点、苦労した面などのお話は大変参考になりました。努力することは、人生そのものだとおっしゃっていて、大変尊敬致しました。
代表の永瀬先生からは「音の葉研究会も全員指導者検定受けてみましょう!」という発言も。
そんな素晴らしい研究会だったら・・・・・と、他人事のように言っておりますが、
会員のメンバーとして恥じないよう自分自身の研鑽を常に怠らず、一歩一歩生徒さん達と共に学び続けていく姿勢を大切にしようと心を新たにした貴重な一日となりました。
4組の先生方、心に響く貴重なお話をどうもありがとうございました!
♪文責 田中里美 ♪