2016年2月3日(水)10:00~12:30
ピアニスト:菊地裕介先生による
ベートーヴェン ピアノソナタ 演奏法と解釈 シリーズ⑪ を開催いたしました。
2011年からスタートした
ベートーヴェン ピアノソナタ全32曲 演奏法と解釈 シリーズも
今回 第11回を迎え 次回 第12回をもって終了いたします。
今回の曲目
第12番 Op26
★1800年から翌年にかけて作曲されたと推定されていますが、
第1楽章の主題と5つの変奏、第2楽章スケルツォ、このソナタの副題ともなった第3楽章
「葬送行進曲」、そして第4楽章アレグロは、それぞれの時期が別々に書き上げられたと
考えられています。
・・2011年6月11日・12日 ピアノソナタ全32曲演奏会プログラム曲目解説(真嶋雄大先生)より・・
今までの講座でもお話していただいている
"調性"の持つキャラクターを大切にしましょう。
第12番は As-Durで書かれており ほかの作曲家のAs-Durの作品との共通点として
エレガントなイメージです。
エレガント・・・A-Dur と As-Dur を比較してみましょう。
音の響きが違います。音符を読むことから少し離れて響きを聴いてみるとよいでしょう。
第1楽章 主題の3拍子=3/8拍子は 3/4拍子とは異なりテンポ感を大切にしましょう。
統一感を持ったテンポ感で 変奏曲も演奏しましょう。
ソナタは全楽章を1つの作品として演奏します。
全楽章通して学べることが多いですから、 是非 全楽章演奏しましょう。
第2楽章 スケルツォ
対位法的手法で書かれています。
軽やかに エレガントに! 音の変化は グラデーションをつける(作る)感じで。
スケルツォの3拍子は 4拍子の中に3拍子が入った感じで演奏しましょう。
★バルカローレとスケルツォは近い感じと言えるでしょう。
音楽の本質を見ていくことがとても大切です。
第3楽章「葬送行進曲」
内声に3度の連続があり メロディになっています。
メロディをしっかり聴きましょう。
付点のリズム、スタッカートの弾き方に注意しましょう。
第4楽章
ショパンもこのソナタを聴いて・・・ソナタ第2番「葬送」を書いたのでしょうか・・・
このソナタの葬送行進曲から第4楽章アレグロを思わせる雰囲気を持ったソナタですね。
ただ、最終楽章の結末は かなり違っていますから ショパンは 歴史の足跡をもとに
違った結論を引き出したのではないでしょうか。
第13番「幻想曲風ソナタ」 Op27-1
★作品27として出版された2曲に、ベートーヴェンは「幻想曲風ソナタ」と名付けました。
第12番から第14番まで、ベートーヴェンはこれまでにない新しい様式を模索しており
「第13番」では全楽章の有機的な統一を試みています。
それは全楽章を切れ目なく演奏するように指示したのみならず、
主要な楽想を楽章を超えて回帰させる、謂わば循環主題への萌芽すら達成しているのです。
また4楽章構成ながら、第3楽章はあくまでフィナーレへの序文であり、
ベートーヴェンがその後終楽章を最重要視していく方向性も表れています。
・・2011年6月11日・12日 ピアノソナタ全32曲演奏会プログラム曲目解説(真嶋雄大先生)より・・
音楽は言語です。
配置の変化によって どのような聴こえ方がするのか?
達者に弾けることより 音楽の内部に耳を傾け 音楽的に考えて演奏することが大切だといえます。
考えるためには・・・
多くの引き出しを持ち、増やすことが必要だといえるでしょう。
多くの演奏を聴くことがとても大切ですね。
菊地先生 毎回素晴らしい演奏、とても面白いお話ありがとうございます!
ご来場いただきました皆様 ありがとうございました。
次回のご案内
2016年9月7日(水)10:00~12:30
いよいよ最終回です!
第29番 「ハンマークラヴィーア」Op106
是非 ご来場くださいませ。