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中井正子先生「ドビュッシー 子どもも大人も楽しめる小品」講座

2015年12月16日(水)10:00~12:00

ピアニスト:中井正子先生によるテクニックシリーズ PartⅡ

第3回 「ドビュッシー 子どもも大人も楽しめる小品 を中心に」講座を開催しました。

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中井正子先生によるテクニックシリーズは 毎回好評をいただき 大変人気のある講座です!

参考曲目

♪ 「夢」 1890年

・・・原題では、「夢想」 つまり「夢みる」という意味です。

  シューマン「子供の情景」の中にドイツ語で「夢みる」という意味の"トロイメライ"があります。

  7,9の和音の響きに彩られた音楽は、ドビュッシー本来の即興的な和声的発想が、

  アール・ヌーボー風のたおやかな褶曲線を描いています。

  市民的な音楽である"トロイメライ"とは違い、サロンで演奏される上流階級のファッションを

  反映した音楽といえます。

♪ ロマンティックなワルツ 1890年

・・・サロン的というより、サン・サーンス、フォーレ、ラヴェルらの「演奏会用ワルツ」のジャンルです。

  曲中の「Moto(素早く)」 「Tempo rubato(自由なテンポで)」などど書かれ 

  しばしば音楽の流れが変わるのが特徴です。

♪ レントより遅く 1910年

・・・「ゆっくりなワルツ」 1900年頃からヨーロッパで流行した「ボストン」(アメリカ風スロー・ワルツ)

  を思わす流行に敏感なドビュッシーの一面を代表する音楽です。

  スロー・ワルツは遅くても踊れるくらいのテンポですから 出だしの指示にあるように

  「流暢に」弾きましょう。

♪ 「子供の領分」より 「ゴリウォーグのケーキウォーク」 1906-1908年

・・・6曲からなる「子供の領分」は、ドビュッシーが自身の娘"シュウシュウ"のために作曲しました。

  全曲に英語のタイトルがついているのもこの作品だけで、この時代の

  パリ上流階級のちょっとした英国かぶれのようなものが見えます。

  ドビュッシーは しばしばラグタイムの音楽を書いています。

  「ケーキウォーク」とは当時アメリカの黒人がラグタイムの音楽につけていた踊りです。

  ゴリウォーグは 黒人のお人形ですから、そのお人形が踊るケーキウォークをイメージして

  書かれています。シュウシュウもそのお人形を持っていました。

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ドビュッシーのピアノ作品を演奏するときには、まず楽譜が大切になってきます。

ドビュッシーのように楽譜上に多くの情報を書き入れている作曲家の作品は、

書かれていることを見落とさないよう、そして忠実に表現することが大切です。

1512166.JPG  中井正子先生 素晴らしい演奏ありがとうございました。

  ご来場いただきました皆様 ありがとうございました。

次回のご案内

2016年6月8日(水)10:00~12:00

ラヴェル:ソナチネ、亡き王女のためのパヴァーヌ、水の戯れ、小品集より

 


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