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学校クラスコンサートレポート(12/5/28:橿原市立耳成西小学校)

音楽の先生に紹介されて登場した佐藤勝重先生は、ピアノの前に座るなりグラナドスの「アンダルーサ」を熱演。すぐに子供たちをくぎ付けにしました。先生はピアノという楽器の音が出る仕組みやその進化を、異なる時代の作品を弾きながらお話されて行きます。ピアノの周りを囲むように集まった子供たちは、ふたの中を興味津々で覗き込み、弦が低音にむかうにつれて太くなっていくことや、ハンマーが打鍵する度に持ち上がるのを見て、楽しそうに驚いていました。







 2曲目に弾かれたモーツァルトの「トルコ行進曲」で使われている一番低い音、一番高い音はそれぞれどの音か、よく注意して聴いててね、と言われ、モーツァルトの時代のピアノの音域が狭かったことを教わりました。そして、現在のピアノの原型となるまでに発展したショパンやリストの時代について、教室の後ろの作曲家たちの肖像画を追いながら、リスト「愛の夢」を聴きます。音域が増えることで表現できるようになった、華やかで激しさも伴うこの曲を聴いて、誰かが嬉しそうに「この曲知ってる!!」と言っていました。

 その後、右手を痛めたせいでピアニストの道をあきらめ、作曲家として左手のための作品を残したスクリャービンの「左手のための小品 op.9-1.前奏曲」の演奏や、またピアノと天文学との結びつきを感じさせる不思議な数のお話もありました。そして最後はみんなでピアノの周りを囲んで、ショパンの「英雄ポロネーズ」を聴きました。ピアノから飛び出す大きく力強い音!キラキラと動き回る高い音!そして速いオクターブの連続に子供たちの目は真ん丸になり、ひときわ大きな拍手で演奏は終わりました。

 最後は子供たちと一緒に校歌と「歌のにじ」を歌います。先生の弾く校歌の前奏を聴いて、「あれっ。なんかいつもの先生のと違うなぁ...」と本音を漏らす子も...。大きないい声で校歌を披露してくれました。「歌のにじ」ものびのびとした歌詞ときれいなメロディで、途中からはリコーダーも参加しての楽しいものになりました。

 耳成西小学校の校長先生も参観にいらっしゃいましたが、新しい教育の試みをどんどん取り入れて行きましょう!という熱心な先生でした。また、お知らせを聞いていた児童のお家では「お母さんも聴きに行きたいわー」という声もあったそうで、先生も親御さんも子供たちのための良い環境作りに心を配られており、学校クラスコンサートが更に広がって行けば素晴らしいだろうなと感じました。 
Report:かつらぎステーション 岡田真季


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