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【開催レポ】呼吸をひとつに!室内楽体験♪広島中央地区ピアノステップ

12月4日(日)エリザベト音楽大学サビエルホールで開催の「広島中央地区ピアノステップ」で、
<室内楽体験>が行われました。

オプション企画として実施いたしました「室内楽体験」の模様を浅田陽子先生よりレポートして頂きましたのでご紹介いたします。

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今回の参加者は小学3年4年のお嬢さん3人で、受付でお顔を拝見したときから、緊張の中にも、とても楽しみにされている様子が伝わり、これはいい時間になる・・・と予感!
アンサンブルアドバイザーでチェリストの川岡光一先生、ヴァイオリニストの小林沙紀先生をお迎えしての、大学内教室での約2時間のリハーサルは、20分のレクチャーから始まりました。



室内楽リハ1.JPG|はじめまして室内楽

まずは、子供さんとお母さまに席を移動していただき、目の前の楽器に手が届くほどの近いところへ。「間近で楽器を見る」「チェロとバイオリンの大きさを比較する」「チェロの振動を実際に本体に手を当てて感じてみる」という<はじめまして>の次に、「チェロのエンドピンの働き」「弓の毛の素材」「ピアノとの音の出方の違い(機構、発音)」の説明がありました。
そのあと、実際の演奏にもかかわってくる「アップとダウンという弓使い」のお話。
アウフタクト時の弓使い、ワルツやマーチにおける弓使いによる拍感の出し方、共演する際に弓を見ることの大切さ、を実際の演奏で示しながらおふたりでわかりやすく解説し、興味深く室内楽へと誘われます。
そして、室内楽の形態のなかの「弦楽四重奏」と「ピアノトリオ」についてお話。それぞれの楽器がそれぞれの形態のなかで果たす役割、とくに本日演奏する「ピアノトリオ」については、「みんなで溶け合うところと、それぞれが突き進む、両方があってとても魅力的」とのこと。
レクチャーの締めくくりとして「今日ひとつだけ、これだけは守ってほしいし、覚えて帰ってほしいのは<呼吸すること>」とあり、みなが大きく頷いたところで、さあ、それぞれのレッスンです。

 

|音楽作りはイメージの共有

室内楽リハ2.JPG

ギロック(多喜靖美編曲)の「秋のスケッチ」(チェロとのデュオ)、ブルグミュラー(轟千尋編曲)の「あまいなげき」(ピアノトリオ)、ギロック(多喜靖美編曲)の「カーニバルの舞踏会」(ピアノトリオ)を、それぞれ30分のレッスンで。
調弦の際の「ラ」の音の弾き方ひとつにしても、「カンと叩かないで」「チェロだけのときとバイオリンとも一緒のときの弾き方」「どれくらいの間弾いていたらいいか」「ステージでのライト乾燥等で狂ってしまっていて時間のかかるとき」と、さまざまなケースを想定してのお話。
「この曲のイメージは?」ということがたびたび出てきましたが、実際親子で歌詞を考えて書いてきてくださっていた方もおられ、それにそっての表現を一緒に作っていったり、<エスプレッシーヴォ>という大人でも難しい楽語について、「辞書的にはこうだけど、そのときどきですごく悩む」という、音楽作りの様子を共有したり、「ピアノと弦楽器という奏法の違う楽器だけれども、音を近づけることもできる」といろいろ工夫したり・・・。
30分という短い時間ではありますが、年齢、立場を超えて「一緒に音楽を作っていく」という楽しさが見ている側にも伝わってきます。

 

室内楽本番.JPG|呼吸を合わせて室内楽デビュー!

そして忘れてはいけない、呼吸。最初のお辞儀から最後のお辞儀まで通しでやってみることで、演奏以外の部分でも呼吸が合ってくるというか、ひとつの空間を作ることができるのだなあ、と実感。
終わりの音のあと、弓を見ながら鍵盤から手を離すタイミング、手を滞空させて膝に置くまでの時間、音のない時間の音楽まで一緒に感じる幸せ。
レクチャー・レッスンを通して3人とも、みるみる音が変わっていき、実際の本番では「生徒」ではなく、すっかり「共演者」に!
こういった小さい曲から、自然と室内楽に入っていく素晴らしさを目の当たりにし、自分でも参加してみたくなる素敵な時間をいただきました。


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