5月8日(金)、日比谷スタインウェイサロンにて渡部由記子先生による「第32回ピティナ・
ピアノコンペティション課題曲講座(C級・全曲)」を 開催いたしました。
あいにくの雨、さらに一部交通機関に遅れが出ていたにもかかわらず、全国各地から多くの方においで頂きました。ありがとうございました。
講座は、前回・前々回に引き続き、まずコンペについてのお話から始まりました。(1回目は「コンペの意義」、2回目は「コンペの合否について(失敗)」)3回目の今回は、「本番で最高の演奏をする方法」です。
本番で良い演奏をするために、大切なことは、「心のあり方」です。弾く前の精神状態ですべてが決まる、と言っても過言ではありません。普段、いくら上手に弾けていても、本番がダメではそれまでの努力も水の泡となってしまいます。大事な一瞬に、最高の演奏をするため、 日ごろから気をつけること、本番当日に行うとよいこと、演奏後の声かけについて、などのお話がありました。
<日ごろから気をつけること>
●イメージトレーニングが大切。「なりたい自分」になれるように、画用紙などに一番よい笑顔
の自分の写真を貼り、そのまわりに、目標とするものの写真を貼ったり(例・金メダルなど)
絵を描いたり、「○○するぞ!」など宣言文を書いたものを作り、すぐ目に入る場所へ置く。 ●どんなときも消極的・否定的なことを言わない・考えない。いつもポジティブシンキング。
●本番の疑似体験を多く持つ。家族の前で弾いてみる、学校の友達の前で弾いてみる、
など。。。
誰もいないときは録音・録画が有効。しかし、一番効果があるのは、もちろんステップへの
参加です!
●本番のイメージトレーニングを、常に怠らない。
・ピアノから少し離れたところに座る・・前の人が今、弾いていると思って。
・さあ、自分の番。立ち上がってそばの鏡に微笑みかける・・「絶対大丈夫!」
・ピアノに向かってゆっくり歩き出す・・舞台へ向かうことをイメージ。
・お辞儀をし、ピアノの椅子にゆっくり座る・・あたたかい拍手に包まれ、ピアノの前が
一番安心なところ、と強く思い込む。
これらをいつもやっていると、パターン化され、本番でも落ち着いていられるようになる。
<本番前日>
●親は「明日は楽しみね!」とゆったりとかまえる。否定的なことは決して言わない。
<本番当日>
●当日練習して、もしミスがあっても「大丈夫。今間違えたから本番はきっとうまくいく。」と思う。 ミスしたところは、ゆっくり練習して「大丈夫!」と考える。
●会場へは早めに到着するように家を出る。「はやく!はやく!」は禁句。
●舞台袖などで待っているときは、「すでに1回、上手に弾き終わったのだ。」というイメージを持つようにする。「次は2回目だからもっとリラックスして上手に弾ける。」と考えるようにする。
●舞台に上がるときは、「よし!」と気合を入れて歩き始める。お辞儀をしながら「一生懸命練習しました。どうぞ、私の演奏を聴いてください。」と考える。
<演奏後は・・>
親は否定的なことを決して言わず、いっぱいほめる。 もし、満足いかない演奏だったとしても、
怒ったりしない。失敗したことをけなされると反省するのではなく反発するようになる。
心がくじけて、ピアノが嫌いになる。ピアノだけでなく、努力して頑張ることさえイヤになる。
人間はほめられるとやる気・勇気・元気が湧いてくるものです。
渡部先生のお話はまだまだ盛りだくさんで、ここではご紹介できないほどです。
子供たちの心のありようは、まわりの大人の声かけに繊細に反応するのだということが
よく理解できました。指導者や親の役割が大きいこと、そして、ピアノを教えながら、
ピアノ以外の精神面の重要さも同時に伝えていかなければいけない、と実感いたしました。
C級各曲については、よい音の作り方に焦点をしぼり、練習方法・ポイントとなる箇所を重点的にお話してくださいました。
3月から3回にわたり、課題曲講座を行いました。A2・A1・B・C級は、人間の成長に於いて、一番重要な時期の子供たちを対象としています。未来を作る子供たちに、少しでも良い影響になるような指導者でいなければ・・と決意を新たにしました。
○この講座の録画DVDを販売致しております。現在沢山のご予約を頂いているため、 少々日数がかかりますが、お申込み順に発送致します。 こちらから用紙をダウンロードして下さい。
○日比谷ゆめステーション今後の活動
5月24日(日)公開レッスン(A2~D級)・・レッスン生募集中です(D級のみ)
6月20日(土)・21日(日)夏季ステップ
10月 勉強会
11月14日(土)・15日(日)秋季ステップ
※課題曲セミナー・公開レッスンの講師は、渡部由記子先生です。
お申込みは、用紙をこちらからダウンロードしてください。
(Rep. 日比谷ゆめステーション 中前浩子)