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学校クラスコンサートレポート(2011/11/07入善町立桃李小学校)

 2011年11月7日。富山県入善町立桃李小学校をピアニストの黒川浩さんと中沖いくこさんが訪れました。その前日には富山にいかわステーションのステップが行われ、黒川先生はアドバイスとトークコンサートに大活躍でした。クラスコンサートでは連弾のパートナーとして中沖さんが加わり、華やかなコンサートになりました。








 4年生から6年生まで、学年ごとに3回のコンサート。教室に行ってみると、なんとピアノの蓋がとりはらわれており、周囲をぐるりと児童のみなさんが取り囲む形になりました。これは桃李小学校の先生のアイディアです。先生方で蓋をとりはずしたとのことで驚きました。これならピアノの中がよく見えます。
 黒川先生のお話は音楽とピアノのことだなあと思って聞いていると、そのうちに人生や生命の壮大なお話になります。黒板にさらさらっとお星さまやお花の絵を描きながらお話をしてくださいました。「川の行く手に大きな岩があったとするね、そしたら川はその岩をさけてぐるりと迂回して海へとながれてゆくでしょう。しかし、百年か千年か過すぎてそこへ行ってみたら、岩は川のながれに削られて粉々になってしまい、川がゆうゆうと真っすぐに流れているでしょう。」
 連弾でグリーグのペールギュントより、チャイコフスキーの花のワルツ。グリーグのコンチェルトのさわりも弾いてくれました。ソロで中沖さんがショパンの幻想即興曲。席から離れてピアノの周りを取り囲みました。ピアノの下にもぐる子あり、椅子の上に立って上からのぞき込む子あり。みんな興味津々。黒川さんのソロは、ショパンの雨だれ、ラヴェルのプレリュード、ハイドンの名によるメヌエット、バッハのハ長調のプレリュード。「人名の綴りを音名に当てはめるとこんなメロディができるよ。和音のいちばん高い音だけをたどってゆくと、大きなメロディになるよ。雨だれのこの音がずうっと続くんだけど、和音がちがうからいろんな響きにかわってゆくね。」一曲ずつ、聴きどころを分かりやすく説明して下さり、子供達は新しい聴き方ができたことでしょう。こんなお話から、音楽に興味を持ってくれる子が出てきて欲しいです。
 黒川さんの演奏とお話は、ただピアノと音楽の知識だけではなく、人間として大切なことはなにか、芸術が受け継がれてゆくことについて、何かを続けてゆくことの大切さ、おごり高ぶらず謙虚でいることについて、など、心の深いところに残るものでした。いつか、ふとしたときに、子供たちは黒川さんのことを思い出すでしょう。ああ、あんなことを言っていた人がいたなあ、と。
 桃李小学校の子供たちは、とても真面目で熱心です。担任の先生からもリクエストをいただきました。熱意をもって受けれ入れてくださったことに感謝いたします。校長先生と教頭先生も見にいらしてくださり、共演コーナーでは校歌を黒川さんの伴奏でみんなで歌いました。ボニー・ジャックスの西脇久夫さん作曲の素敵な校歌でした。いつもこんな歌が歌えてうらやましい。4年生はピアニスト登場の前に発声練習や準備体操もして待ち構えました。世界中の子供たちが、をかけ声入りで元気に歌ってコンサート終了です。
 今回の学校クラスコンサートは、地域の事業主のみなさまによる協賛で開催することができました。当日、見学にいらした店主の方もあり、主催者としては大変に嬉しいことでした。最後になりましたが、協賛してくださった事業主のみなさまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
協賛(敬称略)
北星ゴム工業株式会社・シマセ写真館・ダックスファーム・PianoRoom奏・コタン・佐藤歯科医院・割烹旅館清八楼・はな膳・花水木・フローリストブルーム・マークホテル・菓子処みずしま・スマイルサポート・明進電機・開進堂楽器
(Report:畠山美佳子)


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