2013年9月4日(水)10:00~12:00、ヤマハ藤沢南口センターにて連弾研究会vol.10を行いました。
不安定な天候で湘南の狭い地域でも各地空模様が異なり、足元がサンダルの方あり、長靴の方ありと出で立ち様々でした。悪天候でしたが14名無事に集まり定刻にスタートです。
7月の連研に引き続き、連弾曲集3冊から以下の作品に取り組みました。
【もぐもぐブギ】(カワイ)より
1.萩原英彦 : 枝を伐られた樹の嘆き Souvenir de KLAGENFURT
2.上 明子 : シュガーランドののんびりマーチA Slow March in the Sugarland
【もっとふたりのピアノ】(音友)より
3.内田勝人 : おやすみのこたん
【新しい子どものうたの本1】(日本ショット)より
4.シュンゲラー編 : かすみかくもか
5.シュンゲラー編 : 子守歌
『枝を伐られた樹の嘆き』
「春の待たれる或る日のこと。菊名・籠久保の庵の樹が伐りとられてしまった。年輪を重ねた欅の樹の枝ぶりを賞でて過ごしていた私は、大きな嘆きを音楽としてうたうことにした。」という作曲家の思いが表れています。プリモは単旋律を両手で弾く形が多く、またプリモで奏でる旋律の一音をセコンドが担う部分もあり、譜面を見るよりも弾きにくい作品です。4ページめのクライマックスには装飾音が増え、8va、sfz、テヌート、アクセントが多くなり読譜も細かく見なければなりません。強弱とテンポの変化もめまぐるしく、それによって嘆き・悲しみ・諦めの心情が感じられます。中間部冒頭に指示されているanimando。この言葉はあまり目にすることが少なくて、animatoと違うのかしらと先生方の間で疑問が湧きました。animandoもanimatoもほぼ同義のようですが、ニュアンスの違いを知りたいところです。
『シュガーランドののんびりマーチ』
「寒くはないけれど、一年中銀世界のシュガーランド王国は、すべてがのんびり。年に数回のお祭りも、皆がおしゃべりしながら、のんびりとお散歩行進。のどかでゆったり。お散歩、ごいっしょしませんか。」とあるように、♩≒104であわてず、ゆったりした行進曲。最初は掴みどころがなくて目的地が見えませんでした。...が、四分音符の動きだけを確認してみたり、四分音符の音を受け取って16分音符があると捉えたりすることで、見えてきました見えてきました。見えてくるとプリモとセコンドのやり取りが本当に楽しくなっていきます。中間部はマーチから一転してのどかな優しい音楽が奏でられますが、セコンドの右手にあるテヌートが大切でしょう。心地よい音楽でした。
『おやすみのこたん』
ピティナ・コンペティションの課題曲にもなった作品。プリモとセコンドにかなりレベル差があります。セコンドはペダルを用いますが、上手に入れないと濁ったり重くなったり。プリモの旋律は1拍めを意識して丁寧に入りましょう。最後はのこたんが深い眠りにつくように終わります。
『かすみかくもか』 『子守歌』
このシュンゲラーの曲集は初心者にもってこいの可愛い作品ばかりです。2曲とも有名なメロディで知らない人はいないのですが、セコンドが単純な伴奏を刻むのとは少し違います。簡単な対位法になっていたり和声的になっていたり、難しくないのに洒落ています。8小節の短い曲でささっと弾けますが、心がホワっとするようなアンサンブルができます。研究会最後の5分でおさらいです。
笑い声が響きながらハラハラドキドキの楽しい2時間。
自分の解釈とは違う弾き方や、思いつかなかった練習方法などを吸収できます。
こんな風に弾いてみたらどうかな~という声に即座に対応しながら、ほぼ全員が演奏に取り組みます。
どんどん曲が見えてくる快感、どんどん素敵に仕上がっていく心地よさ。
「聴く楽しみ」と「弾く楽しみ(苦しみ^_^;)」の両方を味わうことができます。
これからも継続していきます~ お気軽にご参加ください!!
次回の連弾研究会は10月2日(水)です。
ご興味のある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください!
t-felicite@lagoon.ocn.ne.jp (湘南フェリシテSt.矢ノ下智子)