2010年11月1日(月)ハーモニーホールふくいに於いて、日比谷友妃子先生の「心に届く、美しく表情豊かな響きを求めて」の講座が開催されました。
前日の鯖江ステーションステップでのアドバイザーとして、128名の長時間にわたる演奏を聴かれたお疲れのご様子もなく、2時間たっぷりの講座でした。
まず、ピアノ演奏の条件に、感覚的要素、肉体的要素、精神的要素の3つがあり、それぞれ詳しく説明されました。漠然とピアノを教えていた私には考えさせられることばかりでした。感覚的要素では、リズム感が音楽の基本であること、メロディーを歌い、音型・イントネーションをつかむことで自分の気持ちを表現できるようになること、和声はピアノには必須であることが、肉体的要素では、生徒ひとりひとりの手の特徴に合わせた指導がなされるべきなどのお話がされました。
3つ目の精神的要素のお話の中で、生徒のやる気!を出させるには、ピアノに興味を持たせること、探究心を養うようなアプローチをすることがいかに大切であるか、そのためには、時として苦労も伴うが、その後上手に弾けたという喜び、満足感が得られることを感じさせるレッスンができればいいとのお話に、大変共感を覚えました。
そのあと、先生がレッスンで使われている教材で、より具体的なお話が、演奏を交えて続きました。
ハノンでは、単調な指の練習だと思わせないさまざまな練習法を教えてくださいました。1音1音を大事に弾くこと、フレーズ感を持つこと、音の響きや余韻を耳でよく聴くこと、音の動きのニュアンスの違いを感じること、調性・運指法など、ハノンでも多くのことが勉強できることを知り、今後の指導に役立てたいと思いました。
ツェルニーでは、さらに音楽性を養うために、左右のバランス、和声、調性のイメージをみがくこと指を鍛えつつ、音色を弾き分けられるようになることで、次のステップにつながっていく、とのお話に、ツェルニーの重要性を改めて感じました。
次のバッハと様々な作曲家の演奏法の違いなども詳しくお話くださいました。
実際、先生が実践されているお話だったので、わかりやすく、参考になることばかりでした。どの教材もアプローチの仕方で、生徒の能力をさらに高められるのだと再認識した有意義な講座でした。