ピティナ高知支部では、2016年3月17日、黒田亜樹先生をお招きして高知市のZUMZUMホールにて課題曲セミナーを開催いたしました。
午前中のA1級、C級ではそれぞれの時代背景や様式を知ることはとても大切、でもあまりにもその知識だけで頭でっかちになるのではなく(特に年齢の低い級では)、現代のこの楽器を「いい音で弾く」そして「音楽を奏でることは楽しい」ということをいつも感じていてほしい、という黒田先生の思いが伝わってきました。具体的な奏法やそれに伴う練習の仕方も丁寧に教えていただきましたが、変化を持たせて弾くことでともすれば単調になりがちな練習もなんだか楽しくできそうでした。伸びている音符のときに音価を感じるようなリズムを(先生が)入れてみる、とかワルツらしくあるいはマズルカらしく感じるゴージャスな伴奏を先生が即興で弾いてくださった時には、小さなかわいい曲なのに音楽が生き生きと立ち上がってくるようで感動しました。
盛りだくさんな内容で午前中は15分ほど延長。午後はB級、D級とE、F級の邦人作曲家を取り上げていただきました。今回、バロックやクラシックでも「均等に描かれている音符を均等に弾くわけではない」「ノートイネガル」のお話がたくさん出てきました。この「美しい揺れ」は考えてできることではないけれど、やはり原典も聞き、たくさんバロック、クラシックを弾いていく中、体験していく中で 身につけていくことができるというお話もありました。そういった午前中のお話に加えて、午後は先生ご持参のシークレットグッズによってピアノの音がチェンバロの音に変化したり、原曲、原典を知るためにYOUTUBEの音を聞かせてくださったり、普段はあまり聞けない邦人作曲家作品の由来なども非常に興味深かったです。
親しみ安くノリの良い黒田先生のお話に参加者もあっという間に魅了され、終始笑いと感嘆の声が絶えない講座となりました。黒田先生、本当にありがとうございました。