ノクターンレクチャー&コンサート開催
7月1日 ピアニスト佐藤勝重さんによるノクターン150年の歴史・レクチャー&コンサートが島村楽器ピアノショールーム市川コルトンプラザ店にて開催されました。佐藤さんの解説は大変分かりやすく、楽しいトークと共に会場は梅雨時期の湿り気を一掃するような素敵な時間が流れました。
●第1章 ノクターンの始まりとサロン文化
ノクターンというジャンルはまだ150年と歴史が浅いのですが、古くはベートーベンやモーツァルトのソナタにもノクターン形式の曲があるそうです。ベートーヴェンソナタ悲愴第2楽章など、確かにノクターンを彷彿させる旋律ですね。
ショパンのバラードやスケルツオの曲中にも同様に、「ノクターン」は存在している・・実際に演奏して頂き納得です。
●第2章 伴奏音からみる作品比較 ~共鳴し合った作曲家たち~
ノクターンの伴奏は、主に分散和音形と和音の転回形の2タイプで形成されています。伴奏によって曲想が全く感じの違う曲になるということで、佐藤さんが和音の転回形伴奏のノクターンOp.9-2(ショパン)を分散和音形の伴奏で演奏されました。
現代でも「ノクターン」といえば「ショパン」なのは伴奏にも理由があったのですね。とても印象に残る伴奏が多くの人の心を今もなお魅了し続けています。お料理に例えれば、ショパンは色々な調理法を熟知していた、というところだそうです。
●第3章 継承そして発展するノクターン
数々の大物作曲家たちがこぞってショパンをリスペクトしています。中にはノクターンを模倣しているのではと疑ってしまうような曲もあるのだそうです。でもそれも後々の世の中に聴き継がれる大事な役割を果たしています。現代では大問題になってしまいそうなエピソードも、ノクターンの発展に貢献していたのですね。
ショパン以外の様々なノクターンを演奏して頂きました。中でも「ショパン先生」は、コンサートにお越しの日下部満三先生の作曲された作品で、会場はとても盛り上がりました。
最後のプログラム、スクリャービン・左手のための小品より「ノクターン」Op.9-2は、とても左手だけで演奏されているとは思えない素晴らしい演奏でした。
観客からの拍手の後、アンコール ~ ショパン・ノクターン嬰ハ短調 "遺作"

●コンサート終了後、ショールームのピアノ"ザウター"で演奏して頂きました。
スタインウェイとはまた異なる味わい深い音色が、ショールームに響き渡りました。
●最後に、根津先生、日下部先生、スタッフと記念撮影
佐藤さん、素敵な演奏とレクチャー、本当にありがとうございました。またぜひ当店で演奏して頂ける日を楽しみにしております。全国各地の演奏会でご多忙中と存じますのが、今後も益々のご活躍をスタッフ一同お祈り申し上げます!