大嶺未来さん 学校コンサートin米須小学校
♪10月2日(月)糸満市にある創立135年の伝統ある米須小学校にて、
大嶺未来さんのコンサートが行われました。
米須小学校は、1年生から6年生まで1クラスで編成されていて、
3校時に1,2,3年生(79名)、4校時に4,5,6年生(84名)が
大嶺さんのピアノを聴きました。
♪地域にはピアノ教室もなく、
初めてピアノコンサートを聴くといった子ども達も少なくありません。
どんな演奏会なのか、音楽室に入ってくる子ども達はワクワクと
少しの緊張感を持って、静かに大嶺さんの登場を待ちました。
そして...グリーンのお花のワンピースを着た大嶺さんが入ってこられると、
ぐぅーっと見つめる子ども達。
体を前のめりにして、大嶺さんの自己紹介を聞きました。
①ショパン:雨だれ
沖縄出身の大嶺さん、
「ヨーロッパ雨の降り方は沖縄と違って、しとしとと降るんですョ」と、
子ども達にわかりやすく解説してくださいました。
その雨の音をイメージして、ショパンのきょくにうっとり。
途中で音がダイナミックに変化していくと、
全身に音が降ってくる感じがして、子ども達の表情も変わっていきました。
②ショパン:マズルカ 変ロ長調 Op.7-1
「沖縄には、エイサーとか地域での踊りがあるように
ヨーロッパ(ポーランド)にも民族の踊りがあって、この曲はそういう曲です。
ワルツは貴族の踊りですが、マズルカはそうではなくリズムに特徴がありますよ。」
とお話ししてくださいました。
エイサーを身近に感じている子ども達、思わずにっこりです。
③ショパン:猫のワルツ ヘ長調 Op.34-3
とてもテンポが速くて、軽やかでエレガントなこの曲は
子ども達が「好きだった!」という意見が多く、ショパンらしい響きや
パッセージの軽快さは、
子ども達の心をわくわくにしてくれたと思います。
大嶺さんの指の動きに目を丸くして、びっくりしている子ども達もたくさいました。
ピアノについて
ここでは大嶺さんからクイズが飛び出して、子ども達は「何かな~?」と興味津々。
Q.「ショパンを3曲弾きましたが、私は体のどこの部分を使っていたでしょう?」
1番 手
2番 手と右足
3番 手と右足・左足
子ども達は2番に手を挙げる子が多かったのですが、正解は3番!!
「えーっ!!」と喜ぶ声とがっかりの声。ここでペダルの説明をしてくださいました。
左足のソフトペダルの話の時は、ダンパーの模型を見せながら、
ピアノの音の出る仕組みも教えてくださいました。
小さい音から大きな音まで「楽器の王様」と呼ばれるわけが納得できました。
④ラフマニノフ:「鐘」
この曲の間に、子ども達にピアノの観察をしてくださいとの大嶺さんから
うれしいサプライズがあり、みんなでピアノの中を覗いたり、
大嶺さんの近くで鍵盤の様子を見たりと、ぐっとピアノを間近に感じられた時間でした。
初めてピアノの中身を見た子ども達ですから、圧倒される子や、
「鐘」そのもののように鳴り響くピアノに驚いて思わず、
耳のそばに手をやる子もいたり、普段は見ることのできないピアノの心臓部ですから、
恐る恐る覗き込む低学年生も多くいました。
⑤ラフマニノフ:「赤ずきんちゃんと狼」
最後の曲は、子ども達も絵本などでよく知っている題名なのですが、
ピアノで表現すると、響きが伝わってくるので、狼のイメージや
怖がる赤ずきんちゃんの場面もリズムの中で繰り広げられるお話が
音を通してとても明確に伝わってきました。
低音の狼が不気味さをかもし出すところでは
子ども達は体を少しキュッと固くして聴いていました。
低学年の子ども達は、大嶺さんの伴奏で校歌も歌うことができ、
元気ではつらつとした子ども達の声と、大嶺さんの美しい音色でのピアノで、
アンサンブルできた満足感がいっぱい漂う教室でした。
高学年部では、5年生が「茶いろのこびん」6年生が「カノン」を
一緒に演奏していただき、リズム感あふれる茶いろのこびんは、
のりのりのリズムで、5年生全員での好演奏でした。
6年生は美しいピアノとのアンサンブルでしっとりとハーモニーを感じさせてくれて、
6年生としてのいい演奏ができたと思います。
大嶺さんとはリハなしの本番でしたが、
すぐに大峰さんのリードによるピアノでみんなで心を合わせて演奏できました。
演奏終了後は、児童代表からお礼のことばとお花をお渡しして、
すばらしいコンサートをしてくださった大嶺さんへ心から拍手を送りました。
校長先生からも温かいお礼の言葉があり、
コンサート会場が感謝と感動の空気に満ち溢れていたことは、言うまでもありません。
古賀 知栄子